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<定義1>:「市民が、自分の親族以外の市民にとっても役立つ非営利的な活動を、自発的意図的に、職責をこえて行うこと」
<定義2>:「市民が、自分の親族以外の市民にも役立っ非営利的な活動を、自発的意図的に、生業・職務をこえて、労力にみあう金銭的報酬をえずに行なうこと」
<定義3>:「市民が、自分の親族とか職場の同僚、その他自分が所属する各種の任意団体(労組、町内会、PTA、サークル等)の会員以外の市民のためにも役立つ非営利的な活動を、自発的意図的に、労力にみあう金銭的報酬をえずに行うこと」
<定義4>:「市民が、自分の親族とか職場の同僚、その他自分が所属する各種の任意団体の会員以外の市民のためにも役立つ非営利的な活動を、その活動への参加および活動内容の選択について組織的拘束を受けず、徹底して自発的意図的に、労力にみあう金銭的報酬をえずに行うこと」
<定義5>:[市民が、自分の親族とか職場の同僚、その他自分が所属する各種の任意団体の会員以外の市民のためにも役立つ非営利的な労力提供をその活動への参加および活動内容の選択について組織的拘束を受けず、徹底して自発的意図的に、労力にみあう報酬をえずに行うことであり、しかもその活動が特定の公共公益施設の管理者または特定対象者の了解のもとに、ある程度継続的に行われること」

 

西尾はこのようにボランティア活動の定義を整理したうえで、第5の最狭義の定義にこそボランティアの意義が認められること、そしてボランティア活動、ボランティア組織と「ボランティア」は異なるということを大前提にすべきであると主張している。そして、各定義におけるボランティア間の関係にも問題があるという。わが国では、地方政府が委嘱を行う「行政委嘱ボランティア」、ある程度の報酬を約束する「有償ボランティア」などの形態が存在しており、ボランティア活動を単純にとらえることはできないのである。
19) ここでいう「共」とは、個人・家族、非営利組織等をさしている。個人・家族という最小単位のボランティア活動はコミュティ・レベルでの組織化によって活性化する。非営利組織には自治会、町会内、生協、ボーイスカウト、ガールスカウトなど多種多様な組織が含まれる。企業もまた「共」の領域において公益・寄付活動を行っている。なお、

 

 

 

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